イベント企画
トップコンファレンス6-2 教育学習支援情報システム
9月5日9:30-12:00
第5イベント会場

座長:小川 賀代(日本女子大学)

9:30-9:50 講演(1) ページジャンプ推薦モデルと構造化注釈法に基づく結果解釈
WANG Wenhao(九州大学大学院システム情報科学府)
【原発表の書誌情報】Wang, W., Kumamoto, E., & Yin, C. A page jump recommendation model and result interpretation based on structured annotation methods. In Proceedings of the 17th International Conference on Educational Data Mining (pp. 368-375) (2024).
【概要】学生の読書ログの解析によって、研究者たちは回溯行動と成績との間に正の相関関係があることを見出し、その行動には効率の低さという問題があると指摘した。本研究は自然言語処理を取り入れ、ページジャンプの推薦を通して回溯行動の効率を向上させることで、学生がより効率的に読書し、学習成績を向上させることを目指す。
【略歴】Wenhao Wang is currently pursuing his doctorate at the Graduate School of Information Science and Electrical Engineering, Kyushu University. He earned his Master’s degree in Engineering from Kobe University in 2025. His research focuses on educational big data mining, learning analytics, and educational AI.
9:50-10:10 講演(2) Few-shotプロンプティングにおける例選択がGPTモデルを用いた自動エッセイ採点に与える影響
吉田 塁(東京大学 大学院工学系研究科 技術経営戦略学専攻 准教授)
【原発表の書誌情報】Yoshida, L.: The Impact of Example Selection in Few-Shot Prompting on Automated Essay Scoring Using GPT Models. Communications in Computer and Information Science, 2150, pp. 61-73 (2024)
【概要】この研究では、GPTモデルを用いた自動エッセイ採点のfew-shotプロンプティングにおける例選択の影響を調査した。GPT-3.5はGPT-4より例の影響を受けやすく、適切な例選択でGPT-4を上回る性能を示すことが判明した。
【略歴】東京大学大学院工学系研究科 准教授。博士(科学)。専門は教育工学、生成AI、アクティブラーニング、オンライン学習、ファカルティ・ディベロップメント。東京大学教養学部特任助教、東京大学大学総合教育研究センター特任講師を経て、2020年より東京大学大学院工学系研究科准教授。オンラインにおける意見交換プラットフォーム「LearnWiz One」を開発し、世界最大の EdTech コンペティション GESAwards 2021 研究開発部門にて世界大会優勝。
10:10-10:30 講演(3) ChatGPTの活用方略は知識理解にどのような影響を与えるのか?
陳 莉(大阪教育大学 数理情報教育系数理・知能情報部門 講師)
【原発表の書誌情報】Chen, L., Li, G., Ma, B., Tang, C., Okubo, F., and Shimada, A.: How Do Strategies for Using ChatGPT Affect Knowledge Comprehension? The 25th International Conference on Artificial Intelligence in Education (AIED2024), pp 151–162 (2024).
【概要】本研究では,大学生の知識理解における生成AI,特にChatGPTの活用方略に焦点を当て,その影響を調査した.ChatGPTワークシートを使用した大学2年生81名からデータを収集し,分析した.パス解析の結果,学生の概念に対する事前認識と読書行動は,ChatGPT方略の利用を介して最終成績に間接的に影響を与えるといった媒介効果が明らかになった.さらに回帰分析により,情報源の検証と比較に関わるChatGPT方略が,閲覧行動から有意な影響を受け,学生の最終成績に直接影響を与えることがわかった.
【略歴】2021年九州大学人間環境学府博士後期課程修了.博士(教育学).同年,九州大学基幹教育院学術研究員.2023年より九州大学大学院システム情報科学研究院助教.2025年より大阪教育大学数理情報教育系講師.ラーニングアナリティクスに基づいた授業デザインと学習支援システムに関する研究に従事.
10:30-10:50 講演(4) EFL教室における生成AIの使用がL2MSSに与える影響
Huang Jerry Yung Teh(京都産業大学 文化学部 准教授)
【原発表の書誌情報】Huang, J., & Mizumoto, A. (2024). The effects of generative AI usage in EFL classrooms on the l2 motivational self system. Education and Information Technologies, 30, 6435–6454. https://doi.org/10.1007/s10639-024-13071-6
【概要】この研究は、AIチャットボットChatGPTをライティングクラスに組み込むことが、日本の大学生のモチベーションに与える影響を調査した。80人の学生を対照群と処置群に分け、処置群はChatGPTからフィードバックを受けた。結果、ChatGPT利用者は高いモチベーションを報告したが、統計的に有意だったのはL2理想自己とL2学習経験のみだった。この研究は、AIがモチベーションとライティングスキルを向上させる可能性を示した。
【略歴】ロサンゼルス出身です。2007年に外国語指導助手として来日しました。その後、兵庫教育大学、静岡県立大学、関西大学、立命館大学で特任講師として15年以上の経験を積み、現職に至りました。言語教育とテクノロジーの接点を中心に研究しています。また、英語以外の言語(LOTE)や言語間の影響にも関心があります。