ごあいさつ

J-RAILは日本機械学会,電気学会,土木学会の鉄道に関わる部会が順番に主催,共催する鉄道のシンポジウムで,今回J-RAIL2013は第20回目となります。皆様から200件近い論文を応募して頂きました。ここまで続いてきましたのはひとえに上記三学会に関わる鉄道の研究者・技術者や,国土交通省をはじめ,多くの鉄道事業者,技術協会・団体,研究所,大学,メーカーの諸先輩,現役各位の並々ならぬご支援ご協力の賜物であり,ここに厚く御礼申し上げます。

 

今回20回目という節目を迎え,企画セッションとして「鉄道における技術開発と技術継承のこれから」と題し,1990年代から2000年代に取り組まれた高速鉄道プロジェクトの代表例としてJR東日本「FASTEC」、JR東海「300X」、JR西日本「Win350」に取り組まれた方々に講演して頂き,そのあとディスカッションして頂きます。

 

従来と同じく八つの一般セッション(S1〜S8),JSCM(レール・車輪接触力学研究会)セッション,若手研究者・技術者向けショットガンセッションにつきまして,論文件数と参加なさる方を予想してプログラムいたしました。

 

今年は明るい鉄道の話題としては,国内では秋田新幹線での「E6系新幹線電車」の営業開始や,東急東横線渋谷駅地下化に伴うみなとみらい線,東急東横線,東京メトロ副都心線,東武東上線,西武池袋線の間の相互直通運転などがありました。海外では中国,インド,タイなどで経済の発展に伴って高速鉄道や貨物鉄道,都市鉄道などの多数の大規模プロジェクトが陸続と進行しています。これら新興国には従来の当地の鉄道とはかけ離れた最新の技術が用いられ,日々変貌を遂げています。韓国でも高速列車HEMU-430Xの試運転が始まりました。

 

一方で国内でも一昨年の東日本大震災後の不通区間はまだ残っておりますし,今年も台風などによる災害による不通がありましたし,脱線もありました。海外ではドイツで高速列車が所定の編成で運行されないといった常態化したトラブルから,スペインでの高速列車の脱線,米国の通勤幹線の一つといえるメトロノース鉄道での脱線衝突などの事故が起きました。これらは先進化,複雑化,高度化して行く中で,安全安心な鉄道とは何か,それをどう支えるべきか,衝突安全はどう考えるべきかなど,いろいろと示唆しています。

 

鉄道の発展を願う者にとり,J-RAILは,鉄道に関心を持つ研究者・技術者が一同に介して情報や意見を交換する貴重な場であります。この場で,或はこの場を契機として明日の鉄道の議論を深めようではありませんか。多数のみなさまのご参加を募ります。

 

 

平成25年11月20日
一般社団法人 電気学会
交通・電気鉄道技術委員会
委員長 渡邉 朝紀(東京工業大学 特任教授)