電気学会全国大会講演要旨
7-153
実規模ケーブル用空間電荷測定法の開発-音響的多重反射の影響低減法-
◎堀 真彦・穂積直裕(豊橋技術科学大学)
パルス静電応力(PEA)法を用いた実規模ケーブルの空間電荷測定において、ケーブルの絶縁厚が厚くなると絶縁体中の音響伝搬による周波数依存減衰が顕著となる。その結果、内部半導電層近傍からの信号と、これが導体等に至り反射した信号が時間軸上で重なる問題が生じる。本研究では、これをできるだけ明瞭に分離する方法を検討した。電荷に起因する信号が電極間に挟まれた領域のみに帰結される逆畳み込みアルゴリズムを提案した所、内部半導電層の奥における導体からの多重反射等の信号を容易に分離することができた。本手法は解空間を必要最低限度まで削減できるため、計算時間の低減にも寄与すると考える。