電気学会全国大会講演要旨
7-149
油隙欠陥を含む油浸紙-絶縁油複合絶縁系における交流・雷インパルス電圧重畳時の油隙内部観察結果
◎牧野裕太・栗原隆史・髙橋俊裕・岡本達希(電力中央研究所)
近年,経年OFケーブル接続部の撤去品解体調査結果などから部分放電の痕跡が認められる事例が報告されており,部分放電によって劣化が進行し,最終的には絶縁破壊に至ることが懸念される。著者らはこれまでに,油隙欠陥を有するシート試料において,AC過電圧を印加した後に,275 kV級OFケーブルの設計電界下で部分放電が連続的に発生することを確認した。さらに,下部電極に透明電極(ITO膜付きガラス)を用いて油隙内部を観察したところ,連続的に部分放電が発生している際には油隙内に気泡が存在していることを確認した。本報では,雷インパルス電圧を印加した際に,油隙内部に気泡が発生するか否かを検討した結果を示す。