電気学会全国大会講演要旨
7-135
東北地方における配電線雷ハザードマップの検討(2009-2014年)
○佐藤智之・白岩靖彦・湯澤伸也(東北電力)・横山 茂(運輸安全委員会)
配電線の雷事故件数は年々着実に減少しているが,配電線事故件数に占める雷事故の割合は,落雷の年変動にもよるが20〜50%を占め,事故原因別では最も高い値となっている。効果的な配電線の雷害対策を実施するためには,雷撃頻度や雷事故被害,設備状況等の地域特性を考慮した雷害対策を実施することが重要である。また,東北地方は夏季雷が多い地区と日本海側特有の冬季雷地区が混在しており,年間を通じて雷が発生する。そのため,性状が異なる雷の季節特性も雷害対策の策定や実施において重要となる。これまで,筆者らによる東北地方,高橋らによる中国地方および杉本らによる北陸地方における配電線雷事故とLLSから求めた雷撃頻度との比較が報告されている。本研究では,2009〜2014年における東北地方の雷特性や配電線雷被害の分析,雷事故率と落雷位置標定システム(LLS)データを活用した配電線雷ハザードマップと次世代LLSによる雷撃頻度マップとの比較検討をおこなった。