電気学会全国大会講演要旨
7-132
ELF帯電波観測を用いた関東周辺の落雷に伴う電荷モーメントの推定と地域特性及び季節変化に関する研究
◎山下純平・芳原容英(電気通信大学)・成田知巳(湘南工科大学)・三塚洋明(東京電力)
雷放電から発生する広帯域の電磁波(空電)のうち,ELF帯空電は大地-電離層によって構成された導波管内を長距離伝搬する。非常に規模が大きい落雷の場合,ELF帯トランジェントとして世界中で観測可能である。ELF帯トランジェントの電磁界振幅から落雷極性,電荷モーメントなどの電気的特性が導出できる。落雷電荷モーメント(Qds)の大小により風力タービンや,太陽発電などの発電システムや架空地線への落雷被害の損傷の度合が異なることが明らかになりつつある。本研究では2011年から2014年のうち,のべ900日間のデータ解析を実施した。落雷に伴うQds及び落雷位置標定システム(LLS)から得られるピーク電流(Ip)の詳細な空間分布を季節ごとに導出した。