電気学会全国大会講演要旨
7-131
極超長波(ELF)を用いた落雷電荷量の推定精度検証
◎成田知巳(湘南工科大学)・三塚洋明・太田 浩(東京電力)・山下純平・芳原容英(電気通信大学)・三木 貫・齋藤幹久(電力中央研究所)
大電荷量を伴う落雷によるものと推定される架空地線の損傷が散見されている(1)。被雷後の巡視点検と改修要否判断において落雷の電荷量の推定手法が重要となる。落雷の電荷量を推定する方法に極超長波(ELF:3 Hz – 3 kHz)の磁界波形を用いて,落雷電荷モーメントを求める方法が検討されている(2)。電力分野への適用を検討した結果,主に66 kV送電線に適用されている架空地線が溶損した2事例について,溶損量から求めた電荷量と落雷点から約1000 km離れた北海道のELF帯空電受信装置で観測された波形データから求めた電荷量を比較したところ,良好な結果が得られた(3)。しかし,比較事例が少ないため,更なる検証が必要であった。そこで,精度よく落雷の場所・時間・電荷量が求められる東京スカイツリーでの雷電荷量データとELF受信装置で観測されたデータから求めた落雷電荷モーメントを比較検討した。