電気学会全国大会講演要旨
7-121
柱上変圧器における絶縁紙の高温分解特性
◎有永 心・野中 寛(三重大学)・岩月秀樹・國井康幸(中部電力)
柱上変圧器内では,雷や過負荷運転等によって,絶縁紙が部分的,一時的に過大な熱負荷を受けることで絶縁破壊を引きおこす可能性がある。本研究では,絶縁紙が絶縁性能を維持しうる限界の負荷条件を明らかにすることを目的とし,通常想定されるよりも高温の条件における絶縁紙の化学的,物理的分解特性を検討した。 その結果,平均重合度の低下に加えて,さらなる分解反応や炭化反応の進行が確認された。強度も非常に低下したことから,これまでの引張強度の低下と平均重合度の減少の相関関係を利用した寿命推定法が適用しきれないケースがあることが示唆された。