電気学会全国大会講演要旨
7-040
異なる色素を用いたTiO2層を持つ多層型色素増感太陽電池の製作
◎荒金大地・奥野 光(筑波大学)
次世代の太陽電池として期待されている色素増感太陽電池(DSC)だが,実用化への課題の一つに変換効率が低いことが挙げられる.DSCの変換効率向上の手法の一つに,タンデム型DSCがある.これは,用いる色素によって吸収する光の波長域が変化するDSCの特徴を利用し,異なる色素を用いたDSCを重ね,単位面積当たりの変換効率を向上させたものである.しかしこの手法には高コスト化を含め,多くの課題が存在する.そこで1つのDSCの中に異なる色素を吸着させたTiO2を積層させ,タンデム型DSCの欠点を克服する多層型DSCが検討されている.本研究ではその多層型DSCの考案・製作を行い,通常のDSCよりも優れた光電変換効率を持つ多層型DSCの製作に成功した.