電気学会全国大会講演要旨
4-015
SiC power-MOSFETにおける物理モデル構築への一検討〜高温環境下での連続ゲートバイアスによるデバイス劣化〜
◎小村裕作・佐藤宣夫(千葉工業大学)・舟木 剛(大阪大学)
汎用回路シミュレータにおいて,power-MOSFET などのデバイスは,実験式から動作を表現するビヘイビアモデルが用いられている.しかし,動作条件によっては実測結果との大きな誤差が生じてしまう.また,劣化による特性変化が考慮されていないことが多く,回路の故障予測が困難となっている.本研究では,power-MOSFETの物理モデルの確立に向けて,SiC power-MOSFETのデバイス劣化を観測し,劣化原因について考察した.HTRB(高温逆バイアス)試験によって閾値電圧変動を観測,その傾向からゲート酸化膜へのトラップ電荷による影響が示唆された.今後の課題として,トラップ電荷による閾値電圧への影響を表現する物理モデルを考案し,劣化現象を加味したpower-MOSFETのモデル構築へと繋げる.