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ALS患者のための脳波(ERP)を利用した把持実験
○加納尚之(島根県立大学)
意思伝達能力を損なったALS患者のために、目標刺激に対して出現する脳波(ERP)に着目している。筆者はすでに家電製品を患者自らの意思でON/OFFする目標刺激特定実験を行い、高い正答率を得ている。そこで、自分の意思で所望の手を握ることができる把持実験を行った。具体的には、患者の利き手に予めグローブを装着しておき、特定した刺激が利き手の場合は、グローブのスイッチをONし、その手を握り込ませる。本報告においては、把持実験を21回行い、19回の正答を得ることができたこと、そして、患者に感動を与えることができたことについて報告する。