電気学会全国大会講演要旨
5-097
実時間電力系統シミュレータを用いた超伝導電力機器のハードウェア閉ループ試験システムの開発
○東川甲平・浦崎祥悟・井上昌睦・木須隆暢(九州大学)・富田 優(鉄道総合技術研究所)
超伝導電力機器の実系統への導入拡大のためには、同機器の電力系統との相互作用を高い信頼性をもって実証しておく必要があり、実規模機器の系統連系試験が最も説得力のある手法と考えられる。一方、実規模機器の開発まで成否が明らかとならない状況では、比較的コストのかかる超伝導機器の開発のリスクは高く、また実系統での系統連系試験では、さまざまな運用や事故を網羅することが難しい。また、これを補完する数値シミュレーションにおいても、超伝導機器の非線形な電流輸送特性や超伝導-常伝導間転移までモデル化する必要があり、その妥当性の検証には注意が必要である。そこで我々は、実時間電力系統シミュレータ(RTDS)を用いた超伝導電力機器のハードウェア閉ループ試験(HILS)システムの開発によって、実規模に至らない機器でも、実規模の電力系統でどのような振る舞いをするかを模擬できる仕組みを構築することを目指している、本研究では、鉄道用超伝導き電ケーブルを適用例として、上記システムの開発状況について報告する。