電気学会全国大会講演要旨
5-082
無絶縁REBCOパンケーキコイルの通電特性解析と発生磁場の時間遅れに関する検討
◎勝俣一輝・大木隆広・池田愛花・王 韜・石山敦士(早稲田大学)・野口 聡(北海道大学)・王 旭東(高エネルギー加速器研究機構)・渡部智則・長屋重夫(中部電力)
HTS線材を用いた無絶縁(NI:No Insulation)コイルは従来のコイルでは二律背反の関係にあった高電流密度化と高熱的安定性を両立しうる手段として様々な検討が行われている。しかし通電時におけるNIコイルの電磁的・熱的振る舞いの詳細は定かでない。そこでPEEC(Partial Element Equivalent Circuit)モデルを用いてNIコイルの通電電流に対する中心磁場の時間遅れ及び電流分布について検討を行った。その結果励磁時にはコイル端子部分への電流集中は見られず,層間接触抵抗率の増加に伴って励磁遅れが軽減されることが確認できた。また遮断時にもコイル端子部分への電流集中は見られず,電源遮断直後にはコイルの一番外側と内側で瞬間的な電流の上昇が見られたが,時間経過に従って減衰した。