電気学会全国大会講演要旨
5-074
モールド変圧器の部分放電開始・消滅特性に対するX線照射効果
◎稲冨篤志・小迫雅裕・匹田政幸(九州工業大学)・飯田和夫・梅村時博(三重大学)・中村勇介(東芝)・前田照彦・東山雅一(東芝産業機器システム)
固体絶縁を採用しているモールド機器の内部では、剥離やボイドなどの予期せぬ欠陥の存在によって、絶縁性能の低下の恐れがある。それらの欠陥の有望な検出法が部分放電(Partial discharge: PD)測定である。一般に固体絶縁物中のボイド放電は初期電子の不足に起因する放電遅れが生じるため、本研究ではX線を照射し初期電子を供給することで、早期絶縁欠陥検出技術の確立を目指している。本稿では、意図的にボイドを混入したVT (Voltage Transformer) を製作し、PD測定をX線照射環境下で実施し、部分放電開始電圧(PDIV: PD Inception Voltage)・消滅電圧(PDEV: PD Extinction Voltage)に対するX線照射効果およびボイド位置標定を検討した結果を報告する。