電気学会全国大会講演要旨
5-038
差分周波数と空間高調波を界磁エネルギー源とする磁石フリー磁気ギアモータの基礎検討
◎青山真大・久保田芳永(スズキ)・野口季彦(静岡大学)
パワースプリット式のHEVシステムの小型・高効率化を目的に近年、二軸の出力軸を有する磁気ギアモータの応用が検討されている。しかし動作原理上、磁石ロータには多くの非同期周波数の磁束が鎖交するため磁石うず電流損の増加や高価な高保磁力磁石を用いる必要がある。これらの課題に対し、筆者らはすでに非同期周波数を界磁エネルギー源とする自励式巻線界磁形磁気ギアモータを提案した。本稿では、従来モデルの課題であった非同期周波数差が小さくなる領域でのトルク低下に対して、非同期周波数に加えて空間高調波も界磁エネルギーに活用できる磁石フリー磁気ギアモータを提案する。動作原理の説明を行い、電磁界解析結果により提案モータのトルク特性を明らかにした。