電気学会全国大会講演要旨
5-012
ベクトル制御IPMSMにおける電流センサのオフセットキャンセラの検討
中村宥紀・○森下明平(工学院大学)
IPMSMのベクトル制御には電流センサを使用するがその出力値にはオフセットが発生する。電流検出値にオフセットが重畳するとモータには電気角周波数のトルクリップルが発生する(1)。モータ本体に起因するトルクリップルに関する研究は盛んに行われているが(2),電流検出値のオフセットに着目している例は少ない。今のところ,電流センサのオフセットに起因するトルクリップルへの対応策は再調節するか交換すること以外にない。そこで,d,q軸電流の電流リップルから電流センサのオフセット値を推定し,これを低減する電流センサオフセットキャンセラを新たに提案する。本稿では,シミュレーションにより提案するオフセットキャンセラの有効性を示す。