電気学会全国大会講演要旨
4-196
温度勾配を利用した温熱覚呈示ディスプレイの開発
◎森光英貴・桂 誠一郎(慶應義塾大学)
近年,触覚情報の伝送および呈示を行うハプティクス分野に関して研究が盛んに行われている。本研究では触覚情報の中で温熱覚を取り上げるが,当該感覚の呈示については多くの研究がペルチェ素子を熱デバイスとして用いている。ペルチェ素子は手軽に駆動が可能であり比較的速い応答性を有しているが,温熱制御の時定数は数秒程度に留まっている。人間は数百ミリ秒の時定数において温熱覚を感じることができるため,上記デバイスを直接用いた場合に人間の温熱覚がカバーされているとは言い難い。本稿ではシステム全体の可搬性を維持しつつ応答性を向上させるため,ペルチェ素子に対して金属板を追加的に設置し温度勾配を設ける機構を提案する。