電気学会全国大会講演要旨
4-194
トルクリプル補償テーブルと瞬時外乱推定の両者を補償する外乱オブザーバの検討
◎関 喜亮・大石 潔・横倉勇希(長岡技術科学大学)・井出勇治・倉石大悟(山洋電気)
永久磁石同期電動機の制御を行う際には,モータ構造に起因するコギングトルクなどによりトルクリプルが生じる。 これらの周期的なトルクリプルの補償には補償テーブルを用いることが一般的であるが,補償テーブルのみであると補償テーブル以外の外乱成分の補償が行えない。 また,外乱オブザーバのみを用いて瞬時外乱推定を行うと,微分演算によるノイズ除去のために挿入されている1次LPFにより推定値の減衰及び位相ずれが生じ,適切な補償が行えないという問題が生じる。 本論文では,補償テーブルと外乱オブザーバを組み合わせ,適切な瞬時外乱推定が可能で過補償が生じない新たな外乱オブザーバを提案している。 提案する外乱オブザーバを用い,適切な瞬時外乱推定及び外乱補償が行われていることをシミュレーションによって確認する。