電気学会全国大会講演要旨
4-182
マルチコイルを用いた6分割誘導加熱器の特性
◎安藤彰洋・羽根吉寿正・富田英雄・高橋信雄(東京電機大学)
小型誘導加熱器が、高出力、省電力、安全機器として、様々な家電や産業機器に応用されつつある。筆者らは、小型誘導加熱を応用した製品として、業務用のおでん鍋の効率的な温度制御について注目した。おでん鍋のような、一つの鍋で複数の素材を加熱する際、現状では電熱線方式やガス方式、IH単一コイル加熱方式等あるが、個々の素材に合わせた温度調整が難しい。本研究では、6個のコイルを用いた誘導加熱で、素材にとって適切な加熱および温度調節を可能とする。また、素材の出し入れによる外乱が加わり温度低下した際に、速やかに低下した領域に集中加熱するシステムを提案する。本稿ではシステム構成と領域ごとの水温の温度制御、電磁界解析、磁界計測について述べる。