電気学会全国大会講演要旨
4-178
マルチレベルモータ駆動と可変オブザーバゲインによる回転速度に独立なトルク脈動抑制法
◎新明脩平・竹内活徳・高橋則雄・松下真琴(東芝)・大西公平(慶應義塾大学)
マルチレベルインバータによりモータの制御性能の改善が期待できる。通常,素子のスイッチング時にはデッドタイムを設け,直流短絡を防ぐが,デッドタイムによる電圧誤差と零電流クランプ現象により,電流波形が歪むことは広く知られている。これらの歪みは電気角周波数の6の倍数で現れ,電流脈動を増大させる。電流脈動の増大はトルク脈動を増大させ,モータの制御性能を悪化させる原因となる。本論文では,マルチレベルインバータ用いてデッドタイムによる電圧誤差の低減が可能であることを示すとともに,デッドタイム外乱オブザーバに可変ゲインを用いることで,回転速度に独立なトルク脈動抑制法を提案する。