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電圧脈動推定を用いたアクティブフィルタのコンデンサ電圧制御法
◎萬年智介・藤田英明(東京工業大学)
電力用アクティブフィルタが高調波電流を補償する際、原理的に直流コンデンサ電圧に脈動が生じる。このため、従来の制御法では、直流コンデンサ電圧の平均値が一定となるように、電圧フィードバック制御が適用されてきた。しかし、直流コンデンサ容量を低減すると、コンデンサ電圧の脈動が顕著となり、電圧フィードバックゲインが高い場合、高調波電流の瞬時有効電力成分を抑制できなくなるため、高調波補償特性が低下することがある。本論文では、電力用アクティブフィルタに適した新しい直流コンデンサ電圧制御法を提案した。提案法は、直流コンデンサの蓄積エネルギーを推定することによって、高調波補償特性を低下することなく、直流コンデンサ電圧の変動を低減できることを実験によって確認した。