インバータ空調システムは省エネ性、快適性に優れるため広く普及してきた一方で、パワースイッチングに起因する電磁ノイズの増加が課題となっている。特に業務用インバータ空調システムは複数のインバータ回路と複雑なシステム構成のため対策が困難となる場合が多い。この対応として伝導ノイズ解析の活用が注目されており、既に単純な構成の空調機での適用事例を報告した。本稿では、より大型で複雑なシステム構成となるビル用インバータ空調システムでの伝導ノイズ解析を試み、実測結果と同様の傾向を得られることを確認した。ノイズ源別に検証可能とすることで製品開発におけるノイズ対策効率の向上が期待できると考える。