電気学会全国大会講演要旨
4-098
零速度運転時のモータから発生するキャリア騒音の低減法
○綾野秀樹・石川清太郎・松井義弘(東京工業高等専門学校)
インバータシステムにおいて,モータやリアクトルから発生するキャリア騒音を低減させる一般的手法としては,キャリア周波数を増加させ可聴音域を外す手法がある。しかし,この場合にはスイッチング損失が増加する課題がある。本論文では,永久磁石モータの零速度運転状態を対象として,ランダム化した零相電圧を与えることでキャリア騒音を低減できる方法を提案し,実測により確認した。従来方式では,キャリア周波数とその高調波の成分が大きく,特に,2次高調波成分が最大になる。一方,提案手法では,2次高調波成分は低減し,その他の周波数成分が大きくなる。このため,キャリア音は白色化された音になり,耳障りな単一周波数のキャリア音の低減を確認できた。