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電流レギュレータの変調により正弦波入力電流を実現するLED駆動回路の動作検証
◎野下裕市(東京都立産業技術高等専門学校)
近年,長寿命や高効率などの利点から,白色LEDを使用した照明器具が普及している。これらの交流電源用LED駆動回路の多くはDC-DCコンバータによりLEDの電流を制御するため,キャパシタやリアクトルが必要となり,高温動作による寿命の短縮や,部品の大型化が課題となる。そこで筆者らは,これらの受動部品を使用せずに高力率動作を実現するLED駆動回路を提案しているが,ひずみを低減するためにはLED列を増加させる必要があり,部品点数が増加する問題があった。そこで本論文ではLED列を1列のみ使用し,従来は一定としていた電流レギュレータの設定値を直流部の電圧に比例して変調することで,入力電流を正弦波に制御する交流LED駆動回路を提案する。実験の結果,入力電圧100 V,消費電力7.0 W時に入力電流ひずみ率が2.1%,入力力率が0.999の良好な結果を得たので報告する。