電気学会全国大会講演要旨
4-038
IPMSM の最大トルク制御と位置センサレス制御を実現する磁束推定のための同一次元オブザーバの設計法
◎遠松聖也・近藤翔太・冨田睦雄(岐阜工業高等専門学校)・松本 純・長谷川 勝(中部大学)・道木慎二(名古屋大学)・加藤真二(岐阜工業高等専門学校)
IPMSM(埋込磁石型同期電動機)の状態空間表現として拡張誘起電圧モデルの他にもいくつかの磁束モデルを採用したオブザーバを用いた位置センサレス制御法が提案されている。なかでも筆者らによって提案した磁束モデルを採用した外乱オブザーバによって推定される磁束を用いることによって、あたかもSPMSM(表面磁石型同期電動機)のように最大トルク制御(MTPA:Maximum Torque Per Ampere Control)することができ、同時にq 軸インダクタンスの変動に不感な位置センサレス制御が実現可能となる。本稿では、この磁束モデルを採用した同一次元オブザーバによって磁束を推定することによって、IPMSM のMTPA 制御と位置センサレス制御を実現する。そして、γ-正実化問題とH∞制御を用いて、速度推定誤差にロバストな磁束推定が可能になる同一次元オブザーバの設計法を提案し、位置センサレス制御の実機実験によって提案手法の有効性を確認したので、報告する。