PMSMの制御方式の検討には通常，電動機の磁石の方向をd軸としたd-q座標系による状態方程式が使われる。これはd軸，q軸の電流を適切に制御することで，各種制御方式が構成でき，好都合であるからである。その一方，筆者らは，パワーエレクトロニクス学会第202回定例研究会の発表において，負荷角を用いて電源と同期したγ-δ座標系における状態方程式を導出し，d-q座標系と同じ結果になることをシミュレーションより示した。本論文では，γ-δ座標系におけるベクトル制御をとりあげ，その有効性について述べる。