電気学会全国大会講演要旨
2-148
複合フッ化物マトリックスを用いたナノグラニュラー膜のTMR特性
○直江正幸・飯塚昭光・早坂淳一・小林伸聖・荒井賢一(電磁材料研究所)
ナノグラニュラーTMR(トンネル磁気抵抗効果)膜のマトリックス材料にフッ化物を用いると,比抵抗が向上しMR比も大きくなることから,高感度かつ低消費電力な磁気センサ素子に貢献する.しかし,工業的観点から,従来よりもやや低い比抵抗領域のナノグラニュラーTMR膜が望まれている.これまでは,種々の単元フッ化物によるTMR特性(MR比や比抵抗)の調整を主に検討してきたが,選択肢拡大のため,二種以上のフッ化物を混合した複合フッ化物の実用可能性を調査した.今回は,MgF2とGdF3から成る複合フッ化物について検討し,TMR特性の膜組成依存性について調査した結果,その有用性が示された.