電気学会全国大会講演要旨
2-143
DES浴から作製したFe-Ni電析膜の各種特性に与える浴温度の影響
◎東 圭太・白石洸太郎・渡邊佳正・柳井武志・中野正基・福永博俊(長崎大学)
近年,常温イオン液体の一種とされるDES(Deep Eutectic Solvent)が,水溶液よりも広い電位窓,低い蒸気圧などの長所から,新しいめっき溶媒として期待されている。本研究室ではこれまでに,DESを溶媒とするめっき浴からFe系の膜を作製し,90 %を超える高い電流効率が得られるなど,DESが有望な電解溶媒の一つであることを報告してきた。DESは浴温度によって導電率が変化するものが多く,実際に本研究室のFe膜に関する検討においても導電率が電流効率や表面形態に影響を与えることが確認されている。本稿では,従来の検討において低保磁力が得られたFe22Ni78付近の組成を有するFe-Ni膜に着目し,浴温度が各種膜特性に与える影響を検討した。