電気学会全国大会講演要旨
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3相励磁下におけるY結線とΔ結線でのリング試料の鉄損特性
◎下屋直人・小田原峻也・藤﨑敬介(豊田工業大学)
材料特性技術としては,試作した材料の特性を評価するためにはリング試料での評価が望ましい.ここで3相励磁下では3個のリング試料を結線して評価されているが,リング試料の3つの磁路は独立しているため,モータや3相変圧器などの3相が共通な磁路の場合と異なった傾向が表れることが懸念される.本研究では3相正弦波励磁と3相PWMインバータ励磁を用いてY結線とΔ結線の鉄損特性を比較し,その差の原因を明らかにすることを目的としている.その結果,リング試料のような3相が独立な磁路の場合は,磁気ヒステリシス性に起因して,中性点電圧や零相電流に生じる高調波の影響が大きくなるため,Δ結線の鉄損はY結線のものに比べて10%程度小さくなるという結果を得た.