電気学会全国大会講演要旨
2-100
ナノ粒子Cu2ZnSnS4薄膜のSe化とX線回折によるアニール条件の検討
○井狩華奈美・梅嶋悠人・上村一生・張 険峰・小林正和(早稲田大学)
近年、入手し易く安価な原材料を主としていることから、Cu2ZnSnS4(CZTS)太陽電池に注目が集まっている。我々は、CZTS粉末をナノサイズ化し、塗布法を用いてCZTS薄膜の作製を行い、Se化を行っている。CZTSはバンドギャップが1.5eVであるのに対し、Sの一部をSeに置換した材料ではバンドギャップが1.1~1.5eVまで制御可能になり、太陽電池の変換効率改善も期待できる。これらの背景から、CZTSナノ粒子塗布薄膜をSe雰囲気中でアニールすることによりSの一部をSeと置換すると同時に、ナノ粒子の表面欠陥の回復やナノ粒子同士の結合による結晶粒径の改善を試みた。本研究では、Se化アニール条件の探査を目的としてさまざまな条件下でSe化アニールを行い、CZTSへのSe化アニールの効果を検討する。