電気学会全国大会講演要旨
2-073
氷エレクトレットの電荷量に及ぼす直流電界印加時間の影響
◎橋本知昌・大鹿佳子・村本裕二・清水教之(名城大学)
極低温環境下には強誘電体の氷が存在する。本研究では、この氷の強誘電性に着目した。しかし、強誘電体の氷の生成は、非常に困難である。そこで、著者らは、氷に直流電界を印加し、氷中に分極を保持した氷エレクトレットの生成を行っている。本稿では、氷中のプロトンが比較的動きやすい253 Kで電界印加時間を変化させ、氷エレクトレットの電荷量に対する直流電界印加時間の影響について検討した。結果として、24時間以下では電荷量が増加する傾向を示した。しかし、24時間以上では電荷量の平均値は低下するように見られる。電界印加時間とともに電荷量が低下することは考えにくく、この結果については現在検討中である。