電気学会全国大会講演要旨
2-068
熱刺激電流測定により推定したジシクロペンタジエン樹脂の優れた誘電特性
◎鈴木優太・増崎裕季・大木義路(早稲田大学)
ポリジシクロペンタジエン樹脂(P)は,電気機器用絶縁材料に必要とされる絶縁性と耐熱性を備えた材料である。本研究では,同一のガラス転移点を持つエポキシ樹脂(E)とPに対し20 〜 200 ℃の温度域で熱刺激分極及び脱分極電流(TSPC,TSDC)を測定し,比較を行った。全温度域においてTSPCとTSDCはP << Eである。また,Eで2回目の測定を行うとTSDCは増大するが,ほぼガラス転移点にピークが現れる。Pでは,2回目3回目の測定によりTSDCは若干減少し出現温度は高くなる。以上より,PはEに比べて高温における絶縁特性が圧倒的に優れている。