電気学会全国大会講演要旨
2-054
ガンマ線を照射された難燃エチレンプロピレン共重合体のテラヘルツ吸収
◎小松麻理奈・井筒智之・大木義路(早稲田大学)・水野麻弥(情報通信研究機構)
難燃エチレンプロピレンジエン共重合体に空気中、室温または100℃でガンマ線を照射し、テラヘルツ時間領域分光透過法により吸収スペクトルを測定し、赤外分光結果と比較した。その結果、赤外分光ではガンマ線照射前後の差の検出は難しいが、テラヘルツ分光では0.5〜3.6THzにおける極めて幅の広い吸収を確認した。酸化ポリエチレンの結晶モデルを用いた量子化学計算を行うと、この周波数帯に幅の広い吸収が生じる。これより0.5〜3.6THzの吸収は、酸化に起因すると考えられる。以上より、テラヘルツ分光は,赤外分光では評価が困難な難燃エチレンプロピレンジエン共重合体の酸化劣化も検出できることが分かった。