電気学会全国大会講演要旨
2-035
交流損失電流波形の位相差によるEVAフィルムへの空間電荷進入の検討
◎山下佑樹・川島朋裕・村上義信・長尾雅行(豊橋技術科学大学)・遠山和之(沼津工業高等専門学校)
これまで周波数の可変による交流損失電流波形の報告例より、ピークの非線形性が得られているが、位相差を用いて空間電荷の進入を検討した報告例はない。そこで、本研究では高電界下における薄膜フィルムの交流損失電流測定を行ったため報告する。試料は厚さ30μm、10wt%のエチレン酢酸(EVA)フィルムおよび12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた。EVAは空間電荷容易に進入することが報告されている。空間電荷が進入した場合、試料の実効厚さが変化するため、静電容量も変化する。そのため、印加電界の増加に伴って空間電荷が進入したため、位相が徐々に遅れるという結果が得られた。