電気学会全国大会講演要旨
2-025
ポリアミドイミドの空間電荷蓄積特性と絶縁破壊に関する研究
◎岩田知之・瀧沢 馨・三宅弘晃・田中康寛(東京都市大学)
電気自動車の開発・普及が進む中で、電気自動車の駆動電圧の高電圧化が検討されている。しかし、高電圧下では、モータ巻線間で部分放電が発生し、巻線被覆材料が絶縁破壊に至ると報告されている。部分放電開始電圧に関する研究において、空間電荷が被覆材料内に蓄積することで、放電開始電圧が低下するとの報告もあるが、巻線被覆材料の空間電荷蓄積特性の研究報告が少ない。そのため、加湿加熱処理を施したポリアミドイミドの空間電荷蓄積特性を、パルス静電応力法を用いて調査した。その結果、絶縁破壊する直前に負のヘテロ電荷が試料中心に移動する電荷挙動が観測され、この現象が絶縁破壊を引き起こす要因であると推測した。