電気学会全国大会講演要旨
2-017
超純水における絶縁破壊電界の温度・流量および圧力依存性
◎佐藤広治・近藤貴文・小島寛樹(名古屋大学)・花井正弘(東芝,名古屋大学)・早川直樹(名古屋大学)
本論文では,超純水の絶縁破壊電界に対する温度・流量依存性および圧力依存性をそれぞれ取得し,超純水の破壊メカニズムの検討を行う.温度・流量依存性において,超純水の絶縁破壊電界は温度の低下,流量の増加により上昇することが確認できた.圧力依存性においては,超純水の圧力の増加に伴い,絶縁破壊電界が上昇することが確認できた.超純水の絶縁破壊は,ジュール熱による注入熱量によって発生する気泡に起因すると考えられ,温度が低下し,流量が増加すると気泡を発生させるのに多くの熱量が必要となり,圧力の増加が気泡発生を抑制したことにより,超純水の絶縁破壊電界が向上したと考えられる.