電気学会全国大会講演要旨
6-170
ベイジアンネットワークを適用した機器使用傾向学習型HEMSの開発
◎庄司智昭・佐藤富一・江部真里奈・広橋 亘・藤本 悠・林 泰弘・天野嘉春・田辺新一(早稲田大学)
家電製品の普及・大型化・多様化等によって家庭における電力消費は大幅に増大しており,また世帯数の増加・情報化・高齢化が進むにつれて日本では電力消費が増えることが予想されている。このような電力消費の増加による電力不足を回避すべく,デマンドレスポンス(DR)の枠組みが形成されつつある。住宅では電力価格に応じて需要家毎の判断で節電行動が行われることになるが,ユーザにより経済性や生活の快適性のどちらをどの程度重視するかは異なることが想定される。頻繁にかつ長期間に渡るDRはユーザの生活に対して支障をきたし継続性を失わせてしまうことが考えられる。そこで居住者の行動を学習し,イチ好みに合わせた機器制御を自動で行うためのHome Energy Management System (HEMS)が重要となる。本稿では電力価格が変更された際に経済性と生活の快適性の重視の度合いが異なるユーザの振る舞いを学習し,自動で各ユーザに合わせて適切な機器運用を決定するHEMSを提案し,その有用性を数値実験にて示す。