電気学会全国大会講演要旨
6-029
潮流ゆらぎを利用した可変速揚水発電機制御による過渡安定度の向上
◎河村集平・斎藤浩海(東北大学)
電力自由化や再生可能エネルギー電源の導入拡大により不確実性が増した系統においては,従来にも増して電力系統の安定度を向上させることが重要である。 一方,可変速揚水発電は揚水運転時の電気入力調整能力により夜間軽負荷時の需給バランス調整に貢献している。昼間の発電時においては発電機の効率が最大となるように運転されているが,応答の速いパワエレ機器による交流励磁制御により高速の出力制御が可能なため,系統の安定度向上にも貢献できる可能性がある。本稿では,高速制御性能を持つ可変速揚水発電機を過渡安定度の向上に利用するため,潮流ゆらぎの情報を利用した励磁電圧制御を提案し,その有効性を従来の出力一定制御との比較により明らかにする。