電気学会全国大会講演要旨
6-021
需要特性を考慮した住宅用ヒートポンプ給湯機によるPV大量連系時周波数変動抑制能力推計
◎宇川晃太郎・山口容平・下田吉之(大阪大学)
電力系統内で太陽光発電(PV)が大量連系された場合,電力系統周波数調整能力が低下する危険性があると指摘されている.この問題に対して,多数の電力需要家が保有するヒートポンプ給湯機(HP給湯機)などの電力消費機器の消費電力(可制御負荷)を調整することで周波数調整能力の低下を補う方式が提案されている.先行研究においてHP給湯機を用いた周波数制御の導入効果が評価されているが,HP給湯機設置世帯の給湯行為頻度や使用水量・給湯温度の季節変動が無視されており,可制御負荷となるHP給湯機消費電力の特性が十分に考慮されていない.このような背景から,本研究は住宅用HP給湯機を制御対象とし,PVと住宅用HP給湯機の普及量に関する前提のもとで,周波数調整に使用可能な可制御負荷量を推計し,周波数調整に用いた場合の周波数変動抑制効果を推計した結果を報告する.