電気学会全国大会講演要旨
5-184
RHQ-Nb3Al超電導線材の前駆体内JR-Nb/AlフィラメントにおけるAl厚の影響
◎鈴木恵子・富田浩介・加藤 彰・高尾智明(上智大学)・土屋清澄(高エネルギー加速器研究機構)・伴野信哉(物質材料研究機構)
Nb3Al線材の銅安定化材抜きの臨界電流密度(Jc)の向上を目指し、製造パラメータに関する研究が進められている。その中でも我々は、製造パラメータのひとつである、フィラメント内Al厚に着目した。前駆体線材におけるJR-Nb/Alフィラメントは、RHQ処理により拡散や溶解を起こしてbcc過飽和固溶体となるので、bccフィラメント内でのAl元素の分布の様子はJcに影響を与える可能性がある。そこで、フィラメント内Al厚を変えた4種類のNb3Al線材を作製し、Jc特性を調べた。結果として、Al厚の最も薄いM30-1において最大のJc値が得られ、また、M30線材全てにおいてRHQ電流は臨界電流密度に影響を与えることが分かった。