電気学会全国大会講演要旨
5-152
三相同一軸型高温超電導ケーブルにおける過電流特性の検討
◎北谷大貴・秋田真志・宮城大輔・津田 理(東北大学)・濱島高太郎(八戸工業大学)
本研究では,地中送電を想定した三相同一軸型ケーブルにおいて, b相で単相地絡故障が発生し,31.5 kAの過電流が2秒間流れた場合における熱的過渡安定性の解析を行った。故障電流を分担するためのCu安定層の断面積を100,300,500 mm2としたときの最高到達温度はそれぞれ146.0 K,140.6 Kおよび127.3 Kであり,断面積が大きいほど温度上昇を抑制できることがわかった。超電導線材が劣化する温度は約350〜400 Kであることから,今回想定した構造において,b相で単相地絡故障が発生しても,線材が劣化することはなく,ケーブルの健全性が保たれることを確認した。また,故障後でも十分冷却することにより,問題なく復旧でき,故障後も安定的に使用できることがわかった。