電気学会全国大会講演要旨
5-145
温度変化による電車線状態変化が集電性能に与える影響
◎常本瑞樹・齊藤真吾・清水政利(鉄道総合技術研究所)
電気鉄道の架空電車線は良好な集電性能を維持するため,その張力は一定であることが望ましい。しかしながら,張力調整装置の張力変動やヨークの傾斜により,温度変化に対して架線の張力は常に一定とはならず,トロリ線高さも変化する。そこで,温度変化による線条の張力変化やトロリ線高さ変化が集電性能へ与える影響を検討した結果,温度が高いほどトロリ線の支持点押上量・ひずみが大きくなることがわかった。温度変化によるトロリ線高さ変化は小さいことから,張力変化に伴う波動伝播速度の変化が集電性能に与える影響が大きいと思われる。