電気学会全国大会講演要旨
5-116
新幹線トンネル内の押上量・押上力特性
◎本田誠彦・清水政利・常本瑞樹(鉄道総合技術研究所)・菅間陽二(東日本旅客鉄道)
トンネル内ではパンタグラフに作用する風速が明り区間に比べて大きく、パンタグラフ揚力が増加する。揚力は作用する風速の二乗に比例するため、その増加分を考慮するにはパンタグラフに作用する風速を列車速度に対する比で表した流速比を用いるのが一般的である。従来、流速比は試験列車等の結果を用いて対向列車がない場合は1.2〜1.3倍、対向列車がある場合は1.25〜1.6倍の値が報告されている。本報告では営業列車の各パンタグラフ点の風速からパンタグラフ押上力を算出し、パンタグラフによる動的な押上量・押上力特性を示した。また、列車すれ違いのない場合は標準断面の編成で1.3倍、小断面編成で1.2倍の流速比が適当であることを示した。列車すれ違いがある場合は安全側を見込んで1.5倍が適当であることを示した。