電気学会全国大会講演要旨
5-034
SRMにおける三次元の端効果を等価的に考慮可能な二次元有限要素解析モデルの作成手法
◎牧村和樹・竹本真紹・小笠原悟司(北海道大学)
環境意識の高まりと資源価格の高騰により,SRMによる低価格なEV用モータの開発が実施されている。SRMを設計する際の問題点として,二次元有限要素解析(2D-FEA)を用いて求めた運転特性と試験より得られる実機の運転特性が一致しない点が挙げられる。これは主にコイルエンド部等で発生する軸方向の磁束変化,すなわち,三次元の端効果が2D-FEAで考慮不可能な為である。一方,三次元の端効果を考慮可能な三次元有限要素解析(3D-FEA)には膨大な計算時間が必要となる。そのため,SRMの運転特性を短時間で正確に解析可能な手法の開発が求められている。本稿では,SRMの2D-FEAモデル内で,ロータ形状を2か所のみ調整するという簡素な方法によってモータモデルの磁気特性を補正し,三次元の端効果を2D-FEAで等価的に考慮可能とする手法を提案する。そして,実測されたSRMの運転特性と提案手法を用いた解析モデルによる2D-FEAの運転特性を比較し,提案手法の有効性を示す。