電気学会全国大会講演要旨
5-019
インバータ駆動IPMモータにおけるヒステリシス特性を考慮した鉄損算出法の有効性に関する検討
◎竹田よし美・髙橋康人・藤原耕二(同志社大学)・阿波根 明(サイエンス ソリューションズ)・松尾哲司(京都大学)
高効率な電気機器を設計するためには,電磁鋼板が有するヒステリシス特性および表皮効果を適切に考慮した鉄損算定が必要不可欠である.しかし,これらの物理現象を直接考慮した三次元解析は,計算時間の増大の観点から現実的に実施が容易ではない.そこで,文献[1]では,初磁化曲線に基づく通常の二次元磁界解析の後処理として,電磁鋼板の厚み方向の一次元解析とプレイモデル後処理を組み合わせた鉄損算出法が提案されている.この手法は,従来の磁界解析と比較して解析全体の計算コストはほぼ等しく,鉄損評価の高精度化が期待できる.本稿では,文献[1]で提案された鉄損算出法の有効性を検証するために,PWMインバータで駆動されるIPMモータの損失解析を実施し,従来の損失評価法との比較を行う.