電気学会全国大会講演要旨
4-192
フェライト粒子のモーション・コントロールによるタンパク質の抽出
○カビールムハムドゥル・遠藤雅也・鈴木雅史・水戸部一孝・吉村 昇(秋田大学)
細胞分画における手法には,酵素消化,細胞溶解,超音波破砕や凍結融解などがある(1)。これらの方法を用いて細胞のタンパク質の抽出は可能だが,その際の問題点として,液体中の温度上昇と試薬などの購入に高額な費用がかかることがある。そのため,安価にこの問題を解決する手法が求められている。我々は,微小な磁性体であるフェライト粒子を用いて微生物の細胞壁や細胞膜の破砕に成功しており,余剰活性汚泥の減容化のためにこの技術を利用している(2)。この方法はボールミル方法,つまり一種の物理的な処理である。本研究では,2台の電磁石と交流電源の組み合わせで作製した簡単な設備を用いて,フェライト粒子のモーションをコントロールし,細胞中のタンパク質の抽出の可能性を検討した。