電気学会全国大会講演要旨
4-141
高熱伝導絶縁樹脂シートのV-t特性
◎高橋裕之・太田浩司・竹澤由高(日立化成)
高熱伝導性と絶縁耐久性の両特性を兼ね備えた材料の一つとして、エポキシ樹脂に窒化ホウ素が高充填された高熱伝導絶縁樹脂が注目されている。そこで、この樹脂シートのV-t試験による絶縁耐久性の検証と絶縁劣化挙動の解析を行った。125 ℃におけるV-tプロットをV=Kt^(-1/n) で近似した結果、寿命指数nは3.7となった。この式から実使用電圧を想定した寿命を計算すると、例えばAC 500 Vでは約100,000 hとなり、実用上十分な耐久性を有することが確認できた。また、試験片の表面および断面の観察を行ったところ、試験片の絶縁劣化は部分放電に起因している可能性があることが分かった。