電気学会全国大会講演要旨
4-128
瞬時無効電力の高周波成分を利用したIPMモータのパラメータ同定法
◎熊切有希・野口季彦(静岡大学)
IPMモータの最大トルク制御では,磁気飽和に起因したインダクタンスの減少や温度変化による磁束鎖交数の減少により,最適動作点が変動することが知られている。著者らはこの問題に対して,瞬時無効電力を用いてq軸インダクタンスLqを同定し,動作点を修正するロバストな最大トルク制御法を提案した。しかし,Lqの同定は他のパラメータに対しても感度をもつため,最適動作点で制御するためにはd軸インダクタンスLdや磁束鎖交数Ψfの同定も必要である。本稿では瞬時無効電力の高周波成分に着目したこれらパラメータの同定法を提案するとともに,その有効性をシミュレーションにより検証している。