電気学会全国大会講演要旨
4-095
電機子鎖交磁束に同期した座標系でのPMSMの直接トルク制御における最大トルク/電流制御
◎井上達貴・井上征則・森本茂雄・真田雅之(大阪府立大学)
永久磁石同期モータ(PMSM)は高効率なモータとして幅広く用いられている。PMSMの制御には回転子に同期した座標(d-q座標)上の数式モデルが一般的に用いられるが,別の座標系として電機子鎖交磁束に同期した座標(M-T座標)も利用できる。これまでに直接トルク制御(DTC)によるPMSM駆動システムにおいて,M-T座標上での弱め磁束制御やトルク制限の方法が報告されている。本論文では,M-T座標上の磁気飽和を考慮した最大トルク/電流(MTPA)制御の数式モデルを,DTCのMTPA制御に適用するための手法を提案する。数式モデルを利用することで,参照テーブルを用いる従来の手法に比べて事前測定や保持すべきデータ量の削減が期待できる。実験結果より,MTPA制御が行えることを示す。