電気学会全国大会講演要旨
3-160
熱酸化による残留応力を利用した振動型発電用シリコン座屈両持ち梁
◎山本弘貴・園田晃司・藤田孝之・神田健介・前中一介(兵庫県立大学)
近年、様々な振動から電力を取り出す振動型エナジーハーベスティング技術が注目されている。MEMS技術によって作製される振動型エナジーハーベスタは非常に高いQ値を持つため、非常に狭い周波数帯域でのみ振幅倍増効果による振動振幅が得られるのが特徴である。よって、振動周波数が安定しないような発電対象では十分な能力が発揮できない。このため広い共振範囲を持つ振動体が求められている。本稿では広帯域振動構造のひとつとして注目される座屈両持ち梁構造を、シリコンの熱酸化応力を利用して作製する手法を提案し、その初期実験結果を報告する。試作結果、座屈ひずみの発生を確認し、熱酸化膜長さによってひずみ量が制御できる可能性を示した